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『宇宙…それは人類に残された最後の開拓地である』

…と、若山弦蔵氏の名ナレーションで始まる往年のSFテレビシリーズ『宇宙大作戦』。日本での放送開始は1969年なので自分が観ていたのはさすがに再放送だったと思うのですが(確か日曜日の朝にやってた)、次々と登場する謎の惑星や宇宙人たちに、SFなるものを知り初めし男子のハートは鷲掴みにされたのです。それから数十年後の今年、同シリーズの劇場用映画としては通算13作目となる最新作が公開されます。

『スター・トレック BEYOND』

ふきカエレビュー
©2015 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

10月21日 全国ロードショー
監督:ジャスティン・リン
出演:クリス・パイン ザカリー・クイント
配給:東和ピクチャーズ
公式サイト:
www.startrek-movie.jp
超人類カーンの襲撃から2年半後。ジェームズ・T・カーク艦長(クリス・パイン)が率いるエンタープライズ号は航海中に未知のエイリアンからの激しい襲撃に遭い、エンタープライズ号を破壊されてしまう。辛くも脱出はしたものの、未踏の惑星に取り残されてしまった乗組員たち。そこで彼らを待ち受けていたのは、エイリアンからの容赦ない攻撃だった…

えー、本題に入る前にこの場をお借りして、先月のふきカエ考古学で飯森盛良氏が提示されていた疑問にお答えしましょう。『荒野の七人』吹替え台本の表紙に記された放送日が再放送時のそれになっていることについて「なんで再放送する時にわざわざふきカエ台本を刷り直す必要があるのか?」とのことでしたが、実はこれ、テレビ朝日(旧NET)の洋画枠では普通だったのです。
当時テレビ局にとって洋画劇場といえば高視聴率を稼ぐ看板番組。今では考えられないことですが、『ジョーズ』や『猿の惑星』といった大作ともなれば、平気で40%近い数字をたたき出していました。今だったら紅白かよ、というレベル。
そんなドル箱番組ですからテレビ局内でも、直接担当する映画部以外に編成部や営業部や宣伝部など、たくさんの部署が関わってきます。たとえそれが再放送であっても。
そうした関連部署に資料として配るため、吹替え台本は再放送の度に表紙の放送日だけを更新して本文はそのままに、丸ごと何十部も再印刷されていたのです。当然その分のお金はかかります。まー何て贅沢なんでしょ(←淀川先生風に)
今だったらサーバにデータ保存すれば終わりですけどね。ま、古き良き時代のお話ということで…

閑話休題。思い返せばこの『スター・トレック』劇場版シリーズの一作目が初放送されたのも1984年、そのテレビ朝日『日曜洋画劇場』の枠。劇場公開から4年後のことでした。原典であるテレビシリーズ『宇宙大作戦』とほぼ同じキャストが揃った(あちらの俳優が同じなのですから当然と言えばそれまでですが)豪華な吹替え版に、テレビの前で往時を思い出していた記憶があります。

そこからさらに三十余年を経て今年公開されるのが『スター・トレック BEYOND』。華々しくリブートされた『スター・トレック』、『イントゥ・ダークネス』に続く新章の三作目です。
前二作を監督した稀代の名クリエイター、J・J・エイブラムス(しかし前世でどれだけ徳を積んだら『スター・トレック』と『スター・ウォーズ』を両方監督できるんでしょうか)から今回演出のバトンを引き継ぐのは、『ワイルド・スピード』シリーズを大ヒットさせたジャスティン・リン。キレの良いアクション演出が期待できそうです。

出演陣は、船長がすっかり板についたクリス・パイン以下、エンタープライズ号のクルーたちはもちろん続投。このメンバーでのシリーズも三作目とあって、息の合った活躍を見せてくれます。
ただひとつ残念なのは、ロシア訛りの機関士チェコフを演じているアントン・イェルチン。ご存知の通り彼は今年の六月、不運な自動車事故により27歳の若さでこの世を去ってしまいました。作品になくてはならない愛すべきキャラクターだっただけに、その早すぎる死が悔やまれてなりません。その彼が本作ではエンタープライズ号のクルーとして、いつもと変わらない元気な姿を見せてくれています。

冒頭からエンタープライズ号が破壊されてしまうという、ショッキングな展開で幕を開ける本作。予告編を見る限りでは、その後に未知の惑星で繰り広げられる地上でのアクションが主体になっているようです。
「それってスター・トレックじゃないじゃん」と仰る向きもありましょうが、原点であるオリジナル版『宇宙大作戦』も、実は宇宙でのシーンより、出向いた先の惑星で展開するドラマのほうが多かったんですよね。
前々作の『スター・トレック』はリブート一発目としての派手さは十分でしたが、風呂敷を広げすぎて少々とっ散らかってしまった感が無きにしも非ず。その意味では、新シリーズも三作目にして原点に回帰した、と言えるでしょう。

…と、ここまで書けば次は吹替えキャストのご紹介…と行きたいところですが、実は現時点でお伝えできる情報は一切なし!ハリウッド超大作の御多分に漏れず、本作も公開直前までその内容は非公開なのです。えー、これで実は日本語吹替え版の公開はありません、なんてことになったら目も当てられないのですが、これまでの実績から考えてそれはないと断言でき…いやでも万が一…

お願いですから吹替え版公開してください(懇願)
 
 

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今をときめくベネディクト・カンバーバッチ様の悪役姿が凛々しくて悶絶。