世界の料理ショー ~第2集~ DVD-BOX

 
「世界の料理ショー」~第2集~DVD-BOXが発売中!
原語を無視した大胆な吹替で、当時のお茶の間を爆笑させた元祖「料理バラエティ」。
その「世界の料理ショー」の演出を担当された、音響演出家 河村常平さんにインタビューを行いました。

当時の収録の苦労話や、発売中の「~第2集~ DVD-BOX」特典の新録再現吹替え収録について、さらに、河村さんが参加した『ビバリーヒルズ・コップ2』や『星の王子 ニューヨークへ行く』等の外画作品にまつわる貴重なお話しもお聞かせいただきました!

 
 
—-ご生年、出身地、出身校をお教えください。

河村常平さん:石川県の出身で、大学は日大(日本大学)です。
 
—-大学時代は演出や舞台などはされていましたか?
法学部だったので、演出などはしていませんでしたね。学生当時、僕は東京12チャンネル(現・テレビ東京)でアルバイトをしていたんですよ。当時はまだ放送が4時間しかなかったんです。局には東北新社さんが出入りしていて、紹介してもらったんです。それをきっかけに新社さんに入社して、今の仕事に就くことになりました。
 
—-東北新社に入られて、最初から演出部だったのですか。
いえ、録音部でした。まずはそこで勉強するように言われまして、一年後に演出部に異動になりました。録音部の頃は、フィルムを回したり、テープを回したり、まずは演出の仕事をするにはどういうものが必要かを学ぶ目的で、そういった作業をしていました。その後、演出家の小林守夫さん(『ゴッドファーザー』『大脱走』などを演出)と内池望博さん(「奥さまは魔女」「スパイ大作戦」などを演出)の助手につくことになり、三年間そこで演出の勉強をしました。
 
—-小林守夫さんと内池望博さんは、それぞれどういった方々でしたか。
小林さんは厳しい方で、逆に内池さんはおおらかな方でした。小林さんはなんていったって妥協しない人ですから、よく徹夜になりましたね。一週間くらい家に帰れなかったなんてこともありました。

世界の料理ショー

—-「世界の料理ショー」の演出を担当されたきっかけを教えてください。
ある外国の子供番組の吹替が、僕の最初の演出作品だったんですが、その次が「世界の料理ショー」だったんです。翻訳家の小川裕子さんは、その子供番組でも翻訳をやっていて、その頃から知り合いでした。小川さんに「世界の料理ショー」の翻訳をお願いしたのは、彼女がアメリカに滞在していた経験があり、西洋料理について理解があるんじゃないかと思ったからです。それで一緒に仕事をすることになりました。番組に出てくる材料は専門的で特殊なものが多くありましたし、全然わからなかったので四苦八苦しましたね。
 
—-グラハム・カーの声を吹替えた浦野光さん、黒沢良さんの現場での印象を教えてください。
浦野さんは、内池さんが紹介してくださったんです。彼のしゃべりは最初もうちょっとゆっくりしていたんですが、台本の台詞を倍にしてテンポを速くした結果、あの喋りまくるスタイルにつながったんです。その後、浦野さんが続けられなくなってしまいまして、別の声優さんを探すことになりました。やはり女性向けの番組なので、声の良い人を探していたら、黒沢良さんに白羽の矢が立ったんです。彼とは打ち合わせはせずに、いきなり声をアテてもらいました。彼は当時真面目な二枚目スターの役が多く、ご本人もそういった印象でした。それで少し不安だったんですけど、浦野さんの演技を見てもらって、「こんな感じでやってください」って頼んだら、ノリにノリまくってくださって(笑)。浦野さんが作ったスタイルを、そのまま彼がやってくれた感じです。

—-小川さんが番組を離れた後、翻訳に岩佐幸子さん、監修で石川雄一郎さんなどが番組に加わりました。お二人についてお聞かせください。
石川さんとはイギリスTVシリーズの「モンティ・パイソン」をきっかけに知り合い、「世界の料理ショー」の最後の一年間に、ギャグ作家として加わっていただきました。それまでの台本のギャグは、実は僕が考えていました。新宿の末廣亭(有名な寄席)に通って、漫才や落語をきいて勉強したんです。放送が5年目くらいになって、小川さんが一人だと大変になってきたので、岩佐さんに加わってもらって、二人で翻訳をしてもらっていました。
 
—-今回、浦野さんで1エピソードを新録しました。小川裕子さんも参加されましたが、ご感想をお聞かせください。
みんなで集まったのはもう20年ぶりくらいでしたね。収録は思ったより大変でした。浦野さんは長い間現場から離れていらしたのと、お年のこともありますので、当時と同じというわけには当然いきませんでした。僕の演出スタイルは変えませんでしたけど、浦野さんの今のテンポ取る方向で進めました。小川さんはよく調べてくれて、本当によくやってくださったと思います。放送当時は、昨今と違って調べるのはより大変でしたけど。
 
—-「世界の料理ショー」収録時のエピソード、ご記憶に残っていることを教えてください。
この番組は、ME(BGMと効果音のみの音声素材。これに日本語の台詞を合わせて吹替版が完成する)がなかったんですよ。ですので、MEは日本で作っていました。エンディングの一般の人を呼んできて食べさせるシーンは、予算の関係もあって、吹替えにはせず、原音をそのまま使いました。冒頭のレストラン訪問のシーンに流れる音楽は、僕が選曲していました。いろいろレコードを買ってみて聴いてみて、場面に合うものを使っていました。本編のギャグとレシピの台本も、僕が担当していました。
僕は料理について全く分かりませんでしたし、この番組では苦労したんですが、一番大変だったのはギャグをつくることでした。海外でウケても、日本ではウケないものもあるので、日本人向けのギャグを考えていました。オリジナルでは、日本人を馬鹿にしたギャグもあったので、そういったものは大幅に変えましたね。

世界の料理ショー

—-河村さんが、外画作品(洋画)で演出された作品は憶えておいでですか?
エディ・マーフィー作品の演出をやりました。『ビバリーヒルズ・コップ2』(1990年4月14日 フジテレビ「ゴールデン洋画劇場」放送)や『星の王子 ニューヨークへ行く』(1990年4月14日 フジテレビ「ゴールデン洋画劇場」放送)などです。エディ・マーフィーの地声に似ている声の俳優ということで、下条アトムさんをよく起用していました。『ブレードランナー』(1986年4月14日 TBS「月曜ロードショー」放送)も印象に残っています。ルトガー・ハウアーに寺田農さんを起用しましたが、これは自分の中の閃きによる配役でした。

子供番組の演出が多かったので、10歳から12歳の子役を吹替えで使っていたこともあったんですけど、結構苦労しましたよ。子供は何回もやると飽きてしまうし、学校もありますしね。限定された時間の中で撮らなくてはいけないので、一時間番組だと丸一日かかることもありました。
 
印象に残っているものは「フラグルロック」(1985年よりNHKで放送されたマペットが活躍するTVシリーズ)です。この番組は歌のシーンが多くて、それを声優さんに歌ってもらったんですが、収録は大変でした。シットコムのTVシリーズは、結構手掛けてきましたね。「アーノルド坊やは人気者」では、「世界の料理ショー」と同じく僕がギャグを書かせていただきました。
 
日本のアニメにも携わったことがありまして、「超電磁マシーン ボルテスⅤ」「宇宙大帝ゴッドシグマ」などを演出しました。洋画やアニメなども演出してきましたが、日本のアニメは完成していない状態で吹替えを収録するので大変です。顔に線が引いてあるだけの絵コンテを見ながらの収録になるので、アニメの制作担当に質問をしながら収録していましたね。こういった進め方だと時間がかかります。日本テレビの「24時間テレビ」の初期に、手塚治虫さんのアニメが放送されていましたが、いつも完成がぎりぎりでした。僕が吹替えの演出をやった「ブレーメン4 地獄の中の天使たち」(1981年8月23日放送)とかのアニメもそうでしたが、収録に一週間かかっていましたね。絵とか何もない状態で、どう芝居をすればいいかなど手塚さんに質問をしながらやっていました。
 
—-吹替を演出されるうえで、一番大切にされていることを教えてください。
ギャグですね。ギャグさえ面白ければ、なんでも面白くなります。コメディーは大事ですね(笑)。
 

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[プロフィール]
河村常平(かわむら・じょうへい)

音響演出家。東北新社所属を経て、現在フリー。
演出を手がけた作品として、外画作品に『ゴースト・バスターズ』(ゴールデン洋画劇場版)、『ビバリーヒルズ・コップ2』(ゴールデン洋画劇場版)、『華麗なるギャッツビー』(SONYノーカット10週版)、『13日の金曜日 完結編』など、外国TVシリーズに「インディ・ジョーンズ/若き日の大冒険」、「アボンリーへの道」、「アーノルド坊やは人気者」など、アニメ作品に「闘将ダイモス」、「タイムスリップ10000年 プライム・ローズ」、「ブレーメン4 地獄の中の天使たち」などがある。

世界の料理ショーDVD-BOX 発売中!
第2集は、音源をご協力くださった方のおかげで、吹替マスターが紛失していた全25話の収録が実現! うち1エピソードは、元祖グラハム・カーの声、浦野光で新録を実施。翻訳:小川裕子、演出:河村常平のオリジナル・スタッフも再集結しています。

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