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謹賀新年フィービーよ永遠なれ!80’sゴールデン洋画劇場を彩った不謹慎お色気映画、の巻

はい謹賀新年ね。それはさておき、此処ふきカエル大作戦!!さんに、スターチャンネルの激レア地上波ふきカエ特集の記事が載りました。

その激レア地上波版でかつて声をアテられた錚々たるレジェンド声優さんたちが、コメントをお寄せくださった この記事 は、私も事前に何も聞かされておらず、この場で初めて見つけて腰を抜かしましたわ。これはもう、ふきカエルさんしか実現しえない取材力!流石です。

もう一本、上原さんというスターチャンネルの中の人が インタビューされてる のですが、何を隠そうこの人が、私が 以前書いた、LDふきカエ特集をずーっと続けてきたスターチャンネルの社員さんです。ついに世間様への華々しいお披露目となって、嬉しいです。

今回の特集、私は完全にノータッチなので、お客さんと同じ引いた立場で楽しめてます(やってる方はさぞ大変だと思いますが…)。

私は、スターチャンネルをお手伝いすることになった一昨年(2020)夏、コロナで新作映画が制作も公開もされなくなっちゃって、新作を売りにしてきたスターチャンネルにも新作が供給されなくなり大ピンチ!という時、「それでも、映画を殺らせはせん!コロナごときに映画の栄光を殺らせはせんぞ!!」という意気込みで、毎月旧作の魅力を甦らせる「映画は死なず!」という長期スペシャル企画をやりましょう!と熱苦しく売り込んで、それが通ってこんにちに至るのですが、月々の各特集は私自身がやってる訳ではないんです(やる場合もありますが。韓国映画特集とか)。

ふきカエに関しては前回(『OK牧場』やった時)は、あれは私がやろうと言い出した。それまでTVふきカエ版は、ノーカットが売りのスターチャンネルでは基本的にはやらない方針だったそうですが、いや!ノーカットよりカットの方が売りになるよ!! 日本の映画ファンはみんな地上波見て大きくなったんだから、地上波版にはニーズがある!!! この地上波ふきカエ発掘を今後もレギュラー化すべき、できればソフト収録されてない激レアなやつを!!!!!!!!!! という提案までしたところで、スターチャンネルにはその上原さんというプロがいたので、以降もう完全にお任せしちゃったのですな。

この人だと、私が手がけるよりも話が早いんですよ。私がザ・シネマでやってた時は(私は『シャザム!』を花道に「厳選!吹き替えシネマ」含め完全にザ・シネマは引退しましたので、ふきカエ含め今後のラインナップ決定に私は関与しません)、①私が作品を選ぶ→②素材(テープ)担当者に「Xという映画のZ洋画劇場版のテープは残ってる?」と問い合わせる→③素材担当者から映画会社に問い合わせる→④送られてきた古いボロボロの元テープ(元素材)が今も使用可能なコンディションか確かめて新テープ(放送用素材)をHDで作る、という全4工程で、私がやるのは①だけ。②〜④は私の仕事ではないので電話やメールで進捗を聞くしかない、だったのですが、これを上原さんという人なら全部一人で完結できてしまう担当業務の人なので、話が超早いんです。

なので本件、私は一切ノータッチのお客さん状態。しかもお客さんより数ヶ月は早く見れる立場という。最高か!『0086笑いの番号』日曜洋画劇場バージョン小松の親分さん版とかね。『大頭脳』水曜ロードショー版デビッド・ニーブン中村正×ベルモンド広川太一郎バージョンとかね。俺が作品セレクトしてる訳じゃないのに、どんだけ俺得なラインナップだ!

あと、DVD化される前からあまりにも好きすぎてVHSで保有していた『プライベイトスクール』のゴールデン洋画版とかね。主人公女フィービー・ケイツご担当は、アニソンの女王・堀江美都子さん。そこに加えて、主人公男マシュー・モディーン神谷明&ライバル女ベッツィ・ラッセル平野文とは、なんちゅうCXな!80’sのゴールデン洋画はやたらと友引高校2年4組の生徒たちが声をアテてました。

飯森盛良のふきカエ考古学

皆さんフィービー・ケイツは『初体験リッジモント・ハイ』(82)が最高だって仰いますが、私は『プライベイトスクール』(83)ですな。だって前者でのフィービーは単なる脱ぎ要員、いてもいなくてもいい役ですから。ヌードの1シーンが伝説になっただけで。後者では主役、登場回数も多いですんでね。

この両作は姉妹編みたいなもんで、『初体験リッジモント・ハイ』で「スピコ〜リ君!」とラリパッパなショーンペンのことを怒鳴ってた老教師が『プライベイトスクール』にもカメオ出演してます。酷い役でww ふきカエも千葉耕市さんの声に聞こえるので多分同じ。

飯森盛良のふきカエ考古学

まず『初体験リッジモント・ハイ』の話からしましょうかね。

原作・脚本キャメロン・クロウ。この男、わずか15歳で『Rolling Stone』誌のライターになり、その頃ペニー・レインと恋をして、その後、高校生に化けて高校に潜入取材し22歳で書き上げた原作・脚本が、映画『初体験リッジモント・ハイ』になったのです(ちなみにその実話は主人公を女に変えて翻案され『25年目のキス』という最高のラブコメが後に作られた)。

なので、等身大の80’sティーンのリアルな生態を盛り込みつつ、十代の恋愛、十代の性、十代の妊娠と、割と深刻な話へと物語は発展していき、でも最後には、それらティーンの悲喜こもごものの上に、主人公の成長と家族との絆が感動的に描かれていきます。

その話を映像化したのが、10年後には90’s最高のオシャレ映画『クルーレス』も手がけることになる、ティーンムービーの達人にして才色兼備のエイミー・ヘッカリング監督でした。これがデビュー作。

時代の先端を往く若き男性脚本家が高校生に化けて取材し書いたリアルな原作・脚本を、ティーンムービーの旗手となる若く美しき女性監督がナウく映像化。十代の主に“性春”寄りの諸問題を点描しながらも、見事に感動へと着地させた80’s学園群像劇。

まぁ、80’sティーンムービーの上位に入る佳作ではないでしょうか。馬鹿エロ映画の仮面をかぶってますし、フィービーのプールサイドの「ぼよよ〜ん」スローモーションとショーンペン扮するスピコ〜リ君のマリファナでラリパッパなキャラの印象が強烈すぎて、ジョン・ヒューズ映画と比べて馬鹿エロ映画だと侮られがちですが、んなこたない!

この映画は、ふきカエも必聴なんです。なんせセリフが80’s死語満載、一周回って逆に良い状態になった、熟成が進んだ最高級ヴィンテージですから。ジェニファージェイソンリー潘恵子×フィービー堀江美都子の昭和60年3月23日放送ゴールデン洋画バージョン。堀江さんは『プライベイトスクール』にも続投したってことですね。いや、そっちの放送は昭和59年12月22日だからTV放映は『プライベイトスクール』の方が先なのか。

でも皆さん、ここまで激推ししといてナンですけれど、スターチャンネルではこの『初体験リッジモント・ハイ』は今回やりませんからね!? 各自勝手に「ユニバーサル思い出の復刻版 ブルーレイ」買って見てください。

で、ようやく放送作品『プライベイトスクール』の話。私は『初体験リッジモント・ハイ』も大好きですが、「フィービーと言えば皆さん『初体験リッジモント・ハイ』と仰るけど、んなこたない。『プライベイトスクール』のフィービーの方が良い」と言っているだけで、『プライベイトスクール』の方が優れた映画だとは、一言も言ってはおりません。

はい皆さん、こっちの方こそが、言い逃れのしようがない、まごうかたなき馬鹿エロ映画です!(褒めてます)『初体験リッジモント・ハイ』は『ブレックファスト・クラブ』とかの仲間ですが、こっちの『プライベイトスクール』は『ポーキーズ』とかの仲間ですよ。よく似た姉妹編なのに、本質はかなり違う(この両者の架け橋となるのが90’sの『アメリカン・パイ』シリーズだと思いますけど)。

なお、こっちでのフィービーは晴れて脱ぎ要員を卒業できて、ちゃんとした主役扱いです。露出は前作と比べると大幅に抑えられてます。その代わりの新・脱ぎ要員が、21世紀には『ソウ』シリーズのジグソウの元妻役で有名になる、ベッツィ・ラッセルです。声が完全にラムちゃん!まぁ、路線的には『やるっきゃ騎士』の方に近い映画ですが…。

飯森盛良のふきカエ考古学

『初体験リッジモント・ハイ』の、当時最高のアイドルがここぞというタイミングで満を持してのボヨヨ〜ン、という、“サンタフェ的衝撃”と違って、『プライベイトスクール』の方では(フィービー以外が)ヌードを安く乱発しまくって逆に効果を減じてるし、今の感覚で見ると「各方面から怒られるでしょ、これ!」というシーンのオンパレード。しかもエッチなシチュエーションに遭遇すると、男子どもは、寄り目になったり白目を剥いたりして舌をペロペロする等、ものすごく分かりやすい“アヘ顔”をします…エロ漫画か!コントか!大袈裟でなく本当に馬鹿エロ映画なんだということが、お分かりいただけましたでしょうか?(褒めてます)

飯森盛良のふきカエ考古学

なんでこんな馬鹿エロ映画(褒めてます)を私がそんなに好きなのか!? あるいははっきり言って脇役もいいとこな『初体験リッジモント・ハイ』でのフィービーが、どうして80’sの伝説として、未だに過大評価されてるのか!?

今の人はそこ理解に苦しむかもしれませんが、フィービー・ケイツが当時どれほどのポジションだったか!って話ですよ。日本でも『スクリーン』や『ロードショー』の表紙飾りまくってました。分かりやすく例えるなら、アニャ・テイラー=ジョイがそんな映画に出たら!? というのに近い。それぐらいフィービーは当時最高のアイドルでした。

飯森盛良のふきカエ考古学

無名女優が出たこの手の馬鹿エロ映画はいっぱいあって、それらは本当に二束三文の泡沫クズ映画として映画史のブラックホールへと消えて行きましたが、今で言えばアニャ・テイラー=ジョイに相当するアイドル性を持ったフィービーが主演すると、もうそれだけで、永久不滅の価値を持つ伝説の映画となってしまうんですから、いや〜映画って、本っ当に良いもんですね!

映画は、時代の空気の匂いまで閉じ込めたタイムカプセル。その時代に憧れる後世の若い世代が、それを貪るように見漁るということがあります。かく言う私も二十歳前後の頃、60年代や70年代という、リアルタイムでは知らないか幼すぎて記憶が皆無な時代に激しく憧れて、60年代のカトリーヌ・スパークを見まくったり、70年代の秋吉久美子を見まくったりしたもの。80年代のフィービーも、当時を知る私とだいたい同年輩の人だけではなくて、若者にもそういう見方をしていただけたらオジサン嬉しいです。

ナウくて軽薄で猥雑で不謹慎で最高な時代の空気感と、フィービーの魅力を、ぜひ、当時の音をとどめたふきカエにてご賞味ください。我ら80’sキッズはその空気を吸いその音を聞きながら成長したんだよ。

追伸:あー!! またギリギリ投げ込み入稿で、ここのバナーのデザインを変えてる暇がなかった。もうザ・シネマは完全に無関係となりましたので、次こそは変えます!新年の抱負、正月中に作る!!

飯森盛良のふきカエ考古学

BS10 スターチャンネル『映画は死なず!「激レア地上波吹替版」を観る。掘る。もっと。』
→ 出演声優の皆様から貴重なコメント
→ 素材はこうして発掘&修復!上原行成プロデューサーが明かすその舞台裏とは!?
→ 放送作品ラインナップ


激レア地上波吹替版1/3(月)午後3:20~、11(火)夜11:10~、26(水)深夜1:30~
プライベイトスクール[フジテレビ「ゴールデン洋画劇場」版]
声の出演:堀江美都子、神谷明、平野文、島田敏、沢田敏子
【ソフト未収録】


『プライベイトスクール』© 1983 Unity Pictures Corporation. All Rights Reserved. © 1983 Universal Studios. All Rights Reserved.