#65 実は〈香港映画至上主義〉

5年ほど前にここでも紹介させてもらった、BSテレ東の映画トーク番組「シネマ・アディクト」(レギュラーは毎週日曜深夜2時50分~、その他随時放送)。
予想外の長寿番組となって今も続いてますが、前回グチった通り、レギュラー洋画劇場が「シネマクラッシュ」一枠だけになった今では、BSテレ東でオンエアする映画をフォローするコンセプトが成立しなくなって(シネクラには「前解説」がありますからね)。出演者も固定せず、一貫性のない特集企画を都度繰り出す、「タモリ倶楽部」みたいな“流浪の番組”になっちまった。

まあ、おかげで思い付くまま、好き勝手にやってるんですけど。
4~5月は、BSテレ東でまたまた『釣りバカ日誌』シリーズの放送が始まったのにかこつけて、他局(BS釣りビジョン)から加藤るみさん、橘みづほさん、小野瀬みらいさんの“釣りガール”三人組を引っ張ってきちゃった。もちろん映画番組だから、映画コメンテーターとして「推し」の爽快さがずっと気になってた加藤るみさんに「釣りバカ」を語ってもらいたくてね。

ダークボのふきカエ偏愛録そしてこの6月は、思い付き、というか念願の企画があっさり実現して・・・世界を股にかけるアクション監督・谷垣健治さんが降臨!
監督作『燃えよデブゴン TOKYO MISSION』(6/2BD発売)などドニー・イェン師匠との仕事や、『るろうに剣心』の舞台裏を、実技込みで語り倒すスペシャル企画、〈谷垣健治の映画アクション道!〉をお送りします。

ハリウッド映画のふきカエ談義ばかりしてるもんだから、意外に知られてないけど、何を隠そう俺は、〈香港映画至上主義〉なのだ!

ダークボのふきカエ偏愛録ジャッキー・チェンの『スネーキーモンキー 蛇拳』をテレビで観たのがアクション人生のスタートだったという谷垣監督は、放送翌日の学校では皆がジャッキーの真似をしまくってたと仰ってたけど、チョイ年上の俺の場合は、奈良の映画館で観た『ブルース・リー 死亡遊戯』が最初の洗礼でね。翌日はあちこちケガして、ケガさせましたわ。
あの頃からしばらく、ブルース、ジャッキーから『Mr.BOO!』まで、香港映画はテレビの洋画劇場の花形プログラムだった。俺の親父も生前妙に好きだったもんだから、父子でそりゃあもう見まくりましたよ。もちろんふきカエで。

ダークボのふきカエ偏愛録スタントの道に進んだ谷垣監督と違って運動神経が切れてる俺は、別の形で映画業界に足を突っ込もうと、やがてテレ東で映画番組を担当することに。
香港映画が主流でなくなってからも、『プロジェクトA』以降ますますスケールアップして人気が衰えなかったジャッキー・チェンの映画はちょくちょく放送してたけど、自らふきカエを作る機会はなかなか無かった。
いつかやってみたい、という念願が叶って、遂に「木曜洋画」で新録したのが『WHO AM I?』。憧れの石丸博也さんとの初めての現場、興奮したなあ。
先日放送した『ある日どこかで』までずっとお世話になってる高橋剛ディレクターの切れ味抜群の演出で、かなり良い出来だったと思うんだけど、その後「日曜洋画」で再び新録されちゃって、以降はそっちのバージョンの方が流通してるのが悔しい(最近WOWOWさんで放送された「補完版」も、「日曜洋画」版に追加収録したものでガッカリ)。

ただ、『WHO AM I?』には心残りもあって。
これ、ふきカエ制作用に提供されたM&E(セリフを抜いた音声)に、格闘シーンの「ハッ!」「ヤッ!」とかの息が全部入ってたもんで、そういう声はふきカエず、ほとんど原音のままだったんです。おかげで収録時間も短めで済んだような。
でも俺がテレビで観て育ったジャッキーやサモハンの映画は、石丸博也さんや水島裕さんの「アリャッ!」「ヨッと!」みたいなアドリブが何よりの楽しみでした。アレなしでは、せっかくのふきカエも不完全燃焼。

ダークボのふきカエ偏愛録で、思い立って作ったのが、『ドランクモンキー 酔拳〈21世紀特別編〉』なのです(これも高橋剛Dね)。
これについては昔こちらに書いたので割愛しますが、香港映画ふきカエのレジェンドが大集合したスタジオ、そして首にタオルを巻いて大熱演の石丸博也さん、赤鼻の師匠役の青野武さんのアドリブバトル、まさに夢のようでした。これだからふきカエはやめられない!
でもこのふきカエはあくまで「特別編」で、全ての原点と言えるフジテレビ版のふきカエも、今では発掘されて観る手段がいろいろあるので、ぜひ両方ご覧ください。
 

話を戻して。
BSテレ東「シネマ・アディクト」の新シリーズ〈谷垣健治の映画アクション道!〉は、6月6日(日) 深夜2時50分から放送スタート。
深夜だけじゃもったいないので、以降、随時再放送します。ぜひチェックしてください。

そして次回の当コラムでは・・・コロナ禍にもめげず再び始めちゃった新作ふきカエをご紹介する予定。
またまた誰も予想してない(期待されてないとも言う)企画ですよ。続報を待て!

 

[作品画像はAmazon.co.jpより]
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